
第2回 民法財産法編
・米倉 明『プレップ民法』(弘文堂,第5版,2018)
定価(本体1700円+税)(弘文堂HP書籍紹介)
<著者紹介>
・米倉 明 東京大学名誉教授(ウィキペディア)
同書の著者である米倉明教授は,東京大学名誉教授で,担保法の権威として知られています。また,米倉教授の門下生として,道垣内弘人東京大学大学院法学政治学研究科教授(元司法試験及び予備試験考査委員)などがいます。
同書は,本文・索引を含めて245頁の分量で,「初版以来30年以上愛読されているロングセラー。」(上記弘文堂HP書籍紹介)で,奥付の発行年月,版数,刷数を見れば,多くの民法学習者に読まれてきたことが伺えます。また,現在の第5版は,「債権法改正をふまえ全面改訂を施した最新版」(上記弘文堂HP書籍紹介)です。
まず,第5版のはしがきには,「…本書の目的は民法の初学者に対し,『初学者として』知っておいてもらいたい知識,および,同じくわきまえておいてもらいたい民法解釈の常道を,つとめてわかいやすく,具体例に即して提示することである。…」と記載されております。
そして,本文は,「第Ⅰ章 売買の交渉から契約の成立、その履行終了まで」「第Ⅱ章 契約が履行されなかったときの法的処理」「第Ⅲ章 その他の紛争の法的処理」に分けて,時折図表を交えつつ具体例に沿って,財産法の主要な制度・条文を説明されており,非常に充実した内容となっております。
そこで,近い将来,民法の総則,物権,債権などの分野別の体系書を読む前に,米倉教授の『プレップ民法(第5版)』で,財産法全体を鳥瞰されることをお薦め致します。
<参 考>
上述のように,米倉教授の『プレップ民法(第5版)』は,「債権法改正をふまえ全面改訂を施した最新版」ですが,今回の民法改正を,民法の歴史,従来の諸制度,改正の背景等を踏まえつつ,より詳しく学ぶには,山本敬三『民法の基礎から学ぶ民法改正』(岩波書店,2017)(下記岩波書店HP書籍紹介)をお薦めします。同書は,本文・あとがきを含めてわずか171頁で,民法の基礎と今回の改正を,適宜図表等を用いつつ,極めて分かり易く解説しています。
・山本敬三『民法の基礎から学ぶ民法改正』(岩波書店,2017)
定価(本体1200円+税)(岩波書店HP書籍紹介)
※次回更新は4月7日(土)予定です。