【連載】近い将来を見据えた法律学の入門書 第9回 行政法編

・大橋洋一『社会とつながる行政法入門』(有斐閣,2017)

定価(本体1,800円+税)(有斐閣HP書籍紹介

<著者紹介>

・大橋洋一 学習院大学法科大学院教授(所属大学HP教員紹介)・九州大学名誉教授

 同書の著者である大橋洋一教授は,学習院大学法科大学院教授,九州大学名誉教授で,元司法試験及び予備試験考査委員です。

 そして,同書は,本文・索引を含めて176頁の分量で,「実際に起きた事件や社会問題をモデルとした事例から行政法を説き起こす。グラフあり,新聞記事あり,ときにクイズあり。社会との結びつきを意識しながら興味をもって読み進むうちに行政法の基本が身につき,社会認識の眼が養われる。ちょっと欲張りでユニークな入門。」(上記有斐閣HP書籍紹介)とされており,解釈論のあまり絡まない日常的な事例をもとに,行政法全体の制度・仕組みを,初学者でも興味深く見ることができます。特に「Chapter1 ライフサイクルと行政法」を読んだだけでも,現代社会における行政法の重要性を感じることができます。

 また,同書は,統計表や仕組み図などの図表を多用しており,非常に分かりやすく解説されております。

<参 考>

 今回,この『社会とつながる行政法入門』を行政法の入門書としてお薦めさせて頂いた理由としては,その内容が非常に充実していることの他,行政法の基本書として,同じく大橋洋一教授執筆の『行政法Ⅰ 現代行政過程論』(有斐閣,第3版,2016)及び『行政法Ⅱ 現代行政救済論』(有斐閣,第3版,2018)(下記有斐閣HP書籍紹介参照)を使用する方が多いからです。

 この大橋教授の基本書は,「ケースを通じて行政救済法の基本を学ぶことにより,具体的な紛争状況において最も適した救済手段を選択し,その理由を説得力をもって構成できる力を養成する,独習にも適した信頼・定評の書。」(『行政法Ⅱ(第3版)』有斐閣HP書籍紹介)であり,現時点における行政法の基本書の最高峰ともいわれ,特に司法試験の上位合格者に多用されているとのことです。

 そこで,近い将来この大橋教授の基本書を読む前に,同じ大橋教授執筆の『社会とつながる行政法入門』を行政法の入門書として,お薦めさせて頂きました。

・大橋洋一『行政法Ⅰ 現代行政過程論』(有斐閣,第3版,2016)

定価(本体3,700円+税)(有斐閣HP書籍紹介

・大橋洋一『行政法Ⅱ 現代行政救済論』(有斐閣,第3版,2018)

定価(本体3,800円+税)(有斐閣HP書籍紹介